一道清浄と一月三星・心果清浄の事

一道清浄

 一道とは衆生を悟りへおもむかせる唯一の真実の法理。
清浄とは浄らかで煩悩の穢れをはなれているとの意で、
あらゆるものの中に普遍的に存在している清浄無垢の仏性をさす。
したがって一道清浄とはあらゆるものの中に清浄な生命の仏性がある
という十界互具・一念三千の意義を含めた実相を指すのではないか。

 

 

一月三星・心果清浄
天台大師のいずれの文か明らかでない。
一月三星とは「心」の字の下の一画を一月に、
そして上の三点を三星に配したもので「心」の字形を示している。
一月は一身、三星三身に配せられ、一身即三身三身即一身の義
をあらわすと考えられる。心果清浄とは、久遠の本果に住せられている
無作三身如来の境地が月と星の輝くように澄みわたって清浄であるとの意。