馬鹿者

人が自分の悪口をいうのを聞いて、自分の至らぬところに気づけば、大きな拾い
物をしたようなものだ。悪口が見当ちがいなら、そんなことを言う者が馬鹿まる
だしということだけのこと。まともに馬鹿者の相手になるのは、その馬鹿者に輪を
かけた馬鹿者である。ただ馬鹿なやつだと憐れんでいればよい。

わがことを謗られつつも其の人に

ふびん加ふる人は仕合(しあはせ)

武士道的一日一言
新渡戸 稲造 著